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デビルサバイバー2(主ヤマ時々ヤマ主)中心女性向けテキストブログです。
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モブヤマ要素、性的なものを匂わせる表現を含みます。ご注意ください。
先日開催された主ヤマ絵茶をロムらせて頂く間に書いた、20代代議士秘書・ウサミミ×地下の囚われ龍・大和さんという捏造にもほどがあるパラレルパロ。
和風のお題ったー(http://shindanmaker.com/23286)からお題頂きました。

最終的には本編同様ポラリスの試練に相対するようになるはず。
続きは多分書きあげる余力がないので、ツイッターでこぼした箇条書きを載せておきます。
(小説ご覧になった後で読んで頂ければと思います)

続き書くなら、この後ウサミミ青年は大和の世話係に任命されて、仲良くなっていくんだけど、そうするにしたがって大和が納得してやっているんだとしてもいろいろ辛くなっちゃってぐるぐるする。大和は話してると凄い聡明だしこんなところに囲われてるような奴じゃないって気持ちが強くなっていく。

何時か外に一緒に行きたいという想いも強くなって、ある夜ポロってこぼしてしまったら、ウサミミのことをそのころには憎からず思うようになったヤマトが、何時か君と日の光の下をあるけるようになる日が来るという。
それは願望ではなくて予言だと。不思議とその言葉は信じられた。いつかのその日が来ることを早く来ることを願うウサミミ。

その後なんやかんやあってウサミミとヤマトが情のある関係になってしまったからと、周囲に引きはがされてしまう。
失意のうちに暮らすウサミミ夢の中に大和が出てきて、一か月後の××日、絶対に東京にいろっていわれる。それでその日に自分のところに来い、と。

大きな地震があったらそれが合図と言われていて、地震の後国会議事堂の秘密区画に急ぐウサミミ。
地下におりると大和が待っている。待ち望んだ日がきた、と美しく笑って。その周りには今まで見たことのなかった黄色と黒の制服を着た男女がいて、大和に黒い立派なコートを手渡す。
(補足するとこのパロでは、ヤマトは地下に閉じ込められながら、精神体でジプス局長をしていた感じです。カリスマで局員たちをまとめ上げてた)

それを身に着けて毅然と経ち、ウサミミに手を差し出す大和。「約束の日だ。私は世界を革めに行く。君は私とともに来い」って。ウサミミは戸惑いなくその手を握り返して、そこからジプスの人たちと一緒にポラリスの試練にのぞむ感じです。
エンドはこれ何もなければ間違いなく実力主義行きですね。



 ――君にも我々が飼っているアレについて見せておこう。

 君には見どころがあるからね、と、若輩である青年を秘書として取り立てた代議士は、勤め始めてから2年ほど経ったある日、耳打ちしてきた。
 『飼う』という単語に些かならぬ不穏なものを覚えつつも、見せたいものがあるならばと青年は代議士に従い、言われるままに国会議事堂の地下深くへと足を踏み入れた。
 関係者以外立ち入り禁止の区画に設置されたエレベーターは、信じられないほど深く深くまで降りていき、そうして辿り着いた場所は時代錯誤――否、それ以上の、この世のものとは思えないような空間だった。
 
 エレベーターを降りた先は、室内にも拘らず薄っすらと霧がかかるようで周囲の情景はひどく曖昧だ。その中にひときわ目を引くものがある。更に地下深くへと続く階段が長く螺旋を描いて伸びていた。
 異界への入り口であると示すかのごとく、階段のそこかしこには古びた紙札たちがあちこちに貼り付けられた朱塗りの鳥居が林立していた。その数は十ではきくまい。百本、あるいは千本あってもおかしくないほど、階段が途切れる最下層まで鳥居は続いている。
 その石段を照らすのは、時代がかったことに竜や鳳凰の透かし細工も美しい雪洞たちで、ところどころに細い注連縄や飾り縄が幾重にもかけられていた。ところどころに鈴がつるされているのか、時折しゃらしゃらと涼しげな音が鳴る。
 一歩一歩階を踏みしめるごとに空気が変わるのを青年は感じた。空気がピンと張りつめるような、清浄さを肌に感じる。神域、聖域。そんな単語が頭を過った。

 階段は随分と長く続いた。延々と回り続けて底がないかのようにも思える。
 その最中、
「この先にはいったい何が居るのですか?」
 青年はとうとう我慢しきれず問いかけを発した。隣を歩いていた代議士は足を止めると、やはりまた密やかに。
「我々はここに龍を飼っているんだよ」
 この日本という国を守る守護のいきものを。そんな風に、夢物語のようなことを答えた。

 龍。
 恐らくは何かの隠喩なのだろうが、実際このオカルトじみた場所を目の当たりにすれば、超常の生き物が存在してもおかしくないと思える。
 この空間に満ちる、一種神聖と言える空気はその生き物に由来するのだろうか。
 そんなことを自然と考え始めた辺り、随分と場の雰囲気にのまれつつある気がした。
 やがて青年と代議士は、部屋の底にたどり着く。
 
 開けた場所には、一際大きな白黒二つの鳥居と、その向こうにごくごく小さな屋敷。大正風とでもいえば良いか、和洋折衷のきらびやかな建物が存在していた。
 その屋敷にもまた、鳥居に貼られていたのと同様の摩訶不思議な札が無造作に張り巡らされ、魔よけと思しき飾りがいくつも釣り下げられている。
 この中だと代議士に言われるまま、屋敷の中に一歩足を踏み入れると、何処からか古い寺社の中のような、古式ゆかしくうす甘い――上品な香の匂いがする。
 地下の闇の底に存在する屋敷はいよいよ暗く、壁に灯る色のついた蝋燭の明かりだけが頼りだった。ぐるりと長い廊下を抜け、漸く屋敷の中心と思しき部屋にたどり着く。

「ここが龍の間だ。君、吃驚して腰を抜かすんじゃあないよ」
 あけて御覧と勧められる。前置きにごくりと息を呑み、不思議な魔法陣のような紋様が描かれた襖をそっと押し開く。
 うす闇の中、白くぼんやりと光って見える何者かが、部屋の中に敷かれた布団の上蹲っていた。
 青年は瑠璃の双眸を見開き、室内にいた生き物へと視線を釘づけられる。

 そこにいたのは想像していたような異形然とした存在ではなかった。
 ぼんやりとした蝋燭の明かり、そして床に描かれた幾何学的な紋様から零れる光に照らし出される姿は、白貝のように艶やかで滑らかな膚をしてはいたが、ひとのかたちをしていた。
 それもうつくしい、十代半ばから後半程度の少年の姿をしている。きらきらと、月明かりの様に煌めく銀の髪は淡く紫がかり極上の絹糸のよう。
 花魁じみた、深緋に金銀錦糸で縫い取りが施された壮麗な着物を羽織らされているが、ほっそりとしなやかな四肢と痩躯は、ただ華奢と言うばかりでなく、内に秘めた強さを感じさせる。
 鞘に納められた日本刀のようだ、という印象を覚えた。まるで抜き放たれるその時を待っているかのようだ。
 細い頤、形の良い鼻筋、薄暗い中にあっても見間違いようもないほど際立った美貌の主であることは伺い知れる。
 ただし、眼を見ることは叶わなかった。
その双眸が明らかにされることを恐れているかのように、彼の鼻から上には幾重にも青年には読むことのできない呪いが焼き付けられた包帯のような布が撒きつけられていたからだ。
 視界を閉ざされていても、音で来訪者に気付いたのか、彼はすっくと身を起こす。そうして背筋正しく正座で座れば、蹲っていた時に幾らか感じられた儚さは遠のいていたが、そうして少年が気丈に振る舞うほどに、青年からすればどうにも痛々しくてならなかった。
 こんな風に地の底深くに隔離されて、空も知らずに飼われている? いったい何者なのだろうか。

「まだ子供じゃありませんか」
 非難するような口調になりかけたのをどうにか押し殺す。自分は事情を知らない。だが、尋常でない背景があることは想像に難くなかった。
 代議士は青年の、若者らしい青い反応を楽しんでいるかのようだった。
「見た目で判断するとは君もまだまだだな。これは、人間ではないのだよ。我々を、この国を守るために地の底深くに括られている《龍》だ」
 軽く肩を竦めた後、黙って此方の様子を窺うような少年を顎でしゃくり、説明をする。

 曰く、少年は――少年の一族は遥かな昔から時の権力者の傍に侍り、祝福と加護を与えてきた存在なのだと言う。
 龍脈と呼ばれる強大なエネルギーの流れを読み取り、操作し、それを持って様々な超常のすべを行使して見せるのだと。
 少年は国会議事堂、ひいては首都である東京全体を守る結界の中心としてこの場所に括られ――またその身を介して、政治中枢にいる者たちに龍脈の加護を分け与えているとも言われた。
 その力を受ければ不老とまではいかずとも長寿と健康が約束され、またその口からは時に未来の予測が語られる。鎮護国家の要と言える存在が、目の前の少年の形をした龍なのだと。

 あまりにも荒唐無稽、フィクションにでも出てくるような話だ。
 実際、青年と共にここに降りてきた代議士は年齢よりも幾分若い見た目をしており、病気知らずの男であるが、その健康の秘訣がこの少年にある?
 目の前の少年が人間ではない? にわかには信じがたい。だが、この清浄な空気の源はおそらく彼なのだろう。誰に言われたわけでもないがそう感じた。
 
「我々は彼や彼の一族から加護と祝福を得る代価として、彼らを庇護し、世話してきた。君をここに連れてきたのは、他でもない。この秘密を共有するということは、国家の暗部、中枢に触れるということだ。わかるね」
 君のことを見込んだから連れてきたのだと、代議士は言い、同時に、特別な秘密だから誰にも口外してはいけないとも青年に向けて笑って見せた。
 口外しても誰も信じることはないだろうし、秘密を洩らした途端抹殺とまではいかずとも政治の世界からドロップアウトさせられるだろうことは、暗黙の裡に感じ取れる。
 思う所はあれど、自分が今騒いだとて何を変えられるという訳でもない。青年は余計な口は利かず、理解したと示すようにうなずいて見せた。
 ただ、胸の内によく解らないもやもやとした感覚が蟠って残るのだけは、止めることができなかった。
「よろしい。では君は傍に控えていなさい。どのようにして龍から加護を受け取るのか、ようく見ているように」
 君も何年かしたら同じことをするようになるのだからと言われているかのようだった。
 何をするのかわからぬまま、ひとまず部屋の隅に正座で腰を下ろした青年は――代議士が好色な笑みを浮かべて物言わぬ少年を抱き寄せ、その先に始まった行為に益々複雑な気持ちを強めることとなる。

 房中術と呼ばれる、肌を合わせることで互いの生命力を活性化させたり受け渡したりと言った技法があることを知ったのは後のことで、その時は目の前で見せつけられる行為は唯の暴力としか映らなかった。
 望んで彼はこのような立場に居るのだろうか?
 話をしたい、声が聴きたい、彼の口から事情を、心情を聞いてみたい。そんな思いが生まれて、消えてはくれななかった。

 やがて龍がぐったりと意識を失ったところで、加護を受けるための儀式とやらは終わりを告げた。
 行為の後、龍の身体の後始末は世話役がするものらしいのだが、生憎今はその役目についているものが不在であるらしい。
 だから、これ幸いと青年は自分が龍の面倒を見ることを願い出た。
 放って帰るにはあまりに、その姿が痛ましく見えたのだ。仮令異能の力を秘めていると言っても、青年の目には、龍はまだあどけなさがいくらか残る少年の様にしか見えなかったのだ。
 青年の訴えは聞き入れられた。ただし、眼の封を解いてはいけないと言われた。龍の眼を覗き込めば、こころ奪われて彼の言うなりに動く人形になってしまうからときつく言い含められたのだ。
 注意事項を了承したうえで、青年は龍を抱えて浴室へと向かった。屋敷の裏手には温泉があるのだと聞いた。
 石と木で組まれた、やはり古風な雰囲気のそこに連れて行き、赤と白に汚れた龍の身を清める内に、小さくうめく声がして龍の意識が戻ったのだと知れた。
「大丈夫、身体をきれいにしてるだけだから……休んでいていいよ」
 世話をするために一緒に湯殿に浸かっていたのだが、青年が龍を抱いた状態で気遣うように声をかけると、龍は身じろぎをして薄く笑った。
「安い同情なぞ、いらんぞ。始末をしてくれたことには感謝するが」
 古風な喋りと冷たい声、青年の胸の内を読み取ったかのようだ。そのことに驚きつつも、刃の様に切り込むその声音は、不思議と不快なものではなかった。
「何で、俺、まだ何も言ってないのに……?」
「最中、あれだけこちらを気に掛ける視線を向けていれば気づきもするさ。大方私の境遇を哀れとでも思っているのだろうが……私は望んでここに居る」
「いやじゃないの?」
「不快はあるが、義務であり私の職務だ。情を交わすための行為ではない。抱く側にしてみれば性欲処理の意図も入っているかもしれんがな」
 淡々と語る声はそういうものなのだと確かに思っている様子だった。乱暴な行為を働かれたあとだと言うのに、その精神に揺らぎはなく、燻りもしない。稀有な宝石のような魂を持っているのだと思った。だから、青年は思わず龍の銀色の髪に手を伸ばして、撫でてしまった。
「何をする」
 驚いたような声を出すと、龍は見た目にたがわぬ少年のようだと思った。
「ん、偉いなって思って。不快なのに仕事だから受け入れてるんだろ」
 やすい同情は要らないと言った。だが、青年は芯から彼を労いたいと思った。
「労われるようなことではない。私は子供ではないのだぞ」
 龍と呼ばれるくらいだから見た目のままの年齢の生き物ではないのかもしれないが、腕のなかで落ち着かなげに顔を逸らす姿は可愛らしいと思えてしまった。
「でも、ああいうことしながら結界で東京守ったりしてるんだろ。守ってくれて……ありがとう」
 ぽんと頭を軽く撫でてから手を離す。龍はいくらか戸惑ったような様子だった。
「……だから子ども扱いするなと……! 妙な男だ。もういい。好きにしろ」
「じゃあ好きにさせて貰うね。身体、綺麗にするから」
 こうして話してしまえば生身の人間の様にしか思えない。好きにしろと言われたので、青年は龍の身体をきれいにする作業を再開した。そのうちに、やはり龍の顔の半ばを覆う布が気になって仕方なくなる。
 解くな、と言われていたが――
(少しだけなら大丈夫だよな)
 そう軽く考えて、青年は龍の眼を隠していた布に手をかけた。
「な…、待て……!」
 龍が制止をかけながら身をよじろうとする。だが、触れただけでするりと簡単に包帯はほどけてしまう。振り返ろうとしていたところで布を解けば、自然と龍の顔立ちの全てとその双眸が露わになる。
 温泉周りのうすぼんやりした灯に照らされる龍の瞳は水晶のように透き通り、銀月の様にさえざえと美しかった。
 惹きこまれる。脈拍が早くなる。だが、それだけだ。特別おかしいということはない。こころを奪うというのは、彼の瞳と顔立ちの美しさを隠しておくための方便だったのだろうか。
「なんだ、確かにすごい美人さんだけど、何ともないじゃないか」
「馬鹿な……貴様、ほんとうになんでもないのか?」
 しかし、龍はひどく驚いた顔をしている。険しく眉を寄せた様子は少しばかり心苦しい気もした。
「うん。何ともない。ちょっとドキドキするけどさ」
 それだけだと笑って見せたら、龍はム、とますます眉を寄せ、確かめるように顔を近づけると青年の眼を覗き込む。
「私の眼がおかしくなった訳ではない。ではお前の霊力が、私に伍するほど高いと言うことか」
 言いながらペタペタと青年の身体を無遠慮にさわってくる。これはなかなか……などといいながら身体を弄られて、妙な心地がした。何しろ風呂場と言うことでたがいに裸である。同性同士とはいえ先程の場面を見た後だとどうにも落ち着かない。
「成程、……また随分とおかしな人間を連れてきたものだ。しかし、私の探していたものかもしれんな」
 やがてなんらかの核心を得たのか、龍は手を止めて考え込むようなそぶりを見せる。そのうちに顔をあげ、まっすぐに青年のをほうを見た。居抜くに似た視線にまた少しどきりとする。
「君、名前はなんという?」
 何を言われるのかと身構えていたら、龍は軽く首を傾げて青年に名前を訪ねてきた。
「人に名前を聞くときはそっちから名乗るものじゃないか」
 なんとなく好きにされてばかりは性に合わなかったのでまぜっかえしてみる。すると律儀なことに龍はもっともだと頷いて見せた。
「大和。峰津院大和だ」
 凛とした名乗りは耳に心地よく、魂にまで届くようだった。国と同じ名前は、なるほどこの銀色の龍によく似合っているように思えた。
「いい名前だね。大和」
「世事はいらん。それで、君の名前は?」
「俺の名前は――」
 ここで龍と名を交換したことが後々大きな意味を持つようになるとは、青年はまだ知らない。
 
 やがて、地の底にとらわれた龍が世界の終わりに外へと羽ばたく日が来ることも。
 今はまだすべて、知る由もない話である。

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