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実力主義ED後、ヤマトさんが死んでしまって、ヤマトが活き活き出来るのは確かに彼の望んだこの世界なんだけど、やっぱり修羅の世界だとこうなるよね…と、守りきれなかったり、ほかの道はなかったのだろうかと後悔したウサミミが、
別次元の魔王ア・ベルことネコミミと契約して時を留める能力(セーブ)と時を遡る能力(ロード)を得て、おだやかなしあわせに着地するまでを模索する話、のプロローグ的なもの。
続きを書けるか解からないのですが、とりあえず出だしだけ置いておこうかと…。
ルートは、ヤマト→ロナウド→うれたん→ダイチ(大団円)な予定。
各ルートの合間合間に原作にはルートとして存在しない、ひとりでセプテントリオンぶっ殺してやんよとか色々道を模索したりしたので、
精神年齢的には某ひぐらしの百年の魔女みたいなことになってえらい落ち着いたり擦り切れてしまって、でもそれでも唯一人のことを想って、某まどマギのほむほむばりに諦めないで足掻いてもがきつづけるウサミミとかもえるなあって思いました(…)。
腕の中で冷えていくぬくもりに絶望した。
こんな未来を望んで隣を選んだわけじゃなかった。
近くにいたのに守れなかった。ほんのひととき離れたことで失った。
ずっと一緒にいたかった。穏やかな幸せを、知って欲しかった。
だが、それは修羅の道を歩き始めた瞬間から見果てぬ夢であったのか。
弱肉強食の理を肯定した彼は、こうして己が何時か斃れることすら予測していたのかもしれない。
死に顔は何故だか穏やかで、長年の重みから解放されたようにも見えた。
どこで過つたのだろう。どうしたらこうならずに済んだのだろう。
取り返しようのない事実に打ちのめされて、魂の底まで凍りつきそうだった。
後悔などしても仕方ないのに。それでも──それでも。
嘆きも、怒りも、悲しみも沸き上がりこの心を千々にかき乱して収まってはくれなかった。
大切な、いとしい、無二の存在を失って。
なお欠片も狂わずにいられるのなら、本当に人を恋うたなどと言えまい。
分かっている。本当は。
立ち止まっている時間などなくて。彼の願いを継ぎ、世界を保つことこそ望まれていることで。
世界の秩序を、世の在り様を守るために奔走しなければならないのだ。
それでも、無理だった。立ち上がれそうになかった。
今を選んだのは、だって、すべて、腕の中の彼のためであったのに。
想い人の抜け殻を抱いて悲嘆にくれた、その時。
「嘆くのは止めなよ。何の意味もない」
虚空から唐突に──声が聞こえた。
やや高い少年の響きであるのに、玄妙な蠱惑と、魔性の威厳を併せ持っている。
背筋が泡立つ。知る数多の悪魔の中にも、此処までの重圧感を持つ者はほぼいない。
辺りを見回せど、姿は見えず。ただ声音だけが響く。
「ねぇ、死を覆したいと想う? 運命を変える力が欲しい? 別の未来を見てみたいと想っている?」
──そのためにきみの全てを差し出せる?
それは文字通り、悪魔のささやきだった。魂の契約を迫る魔王の誘い。
だけれど、唐突な乱入者の提案は事実ならばあまりにも魅惑的で、もし夢でも幻でもないのならば縋りつきたかった。
「差し出す。もしも、本当にそんなものが手に入るなら。やり直して、こいつを本当に救うことが出来るなら。俺は俺の全てを捧げたって構わない!」
迷いもなく誓った刹那──
楽しげな笑声が響き渡り、どこまでも蒼い影が部屋に舞い降りた。
視界は闇に塗りつぶされ、そして、時は逆巻く。
それが、もうひとつの始まりだった。