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デビルサバイバー2(主ヤマ時々ヤマ主)中心女性向けテキストブログです。
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小話集から独立して収録。ダイチルート大団円後捏造。
主ヤマ再会して時々逢引する仲になればいい、という願望だだもれな話。

敵として実力主義を実現するのはお断り→私も今はそう願うさ コンボが主ヤマ的にもえ滾りすぎるので、もう回帰後も記憶ありで再会していちゃいちゃしろよ!と願わずにいられない。
だって、敵にならない事を局長も願ってくれてるんですよ?
それはウサミミが望む世界がよいものだと信じたいからという気持ちで、つまり自分の理想が折れてもそこに君の望むうつくしい世界があるならいいってことで、そう思うとすごくこれウサミミを信じて、想っている台詞だよなあ、と。
あまり回帰ルートでのはなしを書いていないのでもっと書きたいな、と思います。
 
 いつか大和に言った。一般人の暮らしを教えると。
 その約束を今、少しずつ果たしている。

 繋いだ縁の輪を寄る辺に、試練の八日間を超えて、今一度の猶予を許されたこの世界で。
 奇跡のように繋がった記憶と存在。かつて苦楽を共に超えた仲間たちとの絆も途切れずに済んだ。
 国家の秘密機関であるジプスに属する面々とは再会が危ぶまれたけれど、紆余曲折を経て交流は続いている。

 かつて過ごした未曾有の危機の只中に比べれば遥かにマシなのだろうが、それでも多忙には違いない霊的国防を担う組織の長を、外に連れ出すのは中々できる事じゃなかったけれど。
 月に一、二度、取れるか取れないか。宝石のように貴重な休暇を、大和は俺と過ごすため、惜しげもなく使う。
 嬉しくも少しも申し訳なくて、他の予定は大丈夫か、休めていないんじゃないかと一度問うた事があった。
「君と過ごす、それ以上に価値のある使い道などない」
 何の衒いもなく大和は返し、らしくもないつまらない事を言うなと、俺の心配をばっさり切って捨てた。 
 そもそも、本当にのっぴきならない連絡が入った時は何をしていようとそちらを優先し、直ぐに現場へ駆けて行く。峰津院大和はそういう男なのだった。
 以来、余計な気遣いは止めにして、共に在る時間を楽しむ事、楽しんでもらう事に尽力している。

 今日も手袋をしていない白い手をとり、連れ立って街を歩く。
 あの重厚な制服を脱ぎ、私服に袖を通している大和は、歳相応の顔をして見えた。
 知識は人並み以上なのに、時に当たり前の物に触れて物珍しそうにしている姿は、いとしくてかなしかった。
「…不思議だ。君といる時、君が見せるものに触れる時、私は何時も驚かされる。そして…この世界が少しだけ、悪くないようにも思える」
「良かった。そう思える内は、お前と敵同士にならなくて済むって事だもんな?」
 気の迷いのようにポツリと呟かれた言葉を拾って笑いかけると、大和はそれ以上何も言わなかった。
 けれど否定がないのは肯定と同じ事だ。嬉しくて、繋いだ手に少し力を込めた。
 このままこうして、もっと、もっと沢山の事を知って欲しい。
 世界はただ醜いばかりでなく美しいものもあるのだと。
 お前が守っているものは、守ってきたものは、堕落と腐敗の汚泥に塗れているばかりでなく、花も光も確かにそこにあるのだと。
 雑踏はごみごみと無価値に映るかもしれないけれど、人の中に混ざって歩くのだってそう悪くない。
 輪の中に混じって初めて、見えるものと言うのはあるはずだ。
 バスや電車に乗って遠出をするのもいい。見た事のない景色を出来るだけ多く見せてやりたい。
「…今日はどこに行こうか?」
「北斗と一緒ならば、どこでも構わない」
「いつも俺の好みでエスコートじゃなくてさ。お前の興味ある事が知りたいの」
「ム。…そうか。ならば……」

 ──その唇から、何て事のない望みを引き出す事が出来た時、俺がどれだけ嬉しかったか。きっと、大和は知らない。


 いとしいきみが隣で笑う幸福を噛み締めながら、思い出をひとつずつ積み上げる。 

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